お灸教室を行いました
6/1(水)第1回めぐるお灸教室~肩こりを分類し自分に合ったツボを探そう~ を開催しました。
来院されたことのある患者様へ告知させていただき、現在通院中の方から数年ぶりの方まで9名の方にご参加いただきました。
終始和やかな雰囲気で、楽しく過ごすことができました。私のテンパり具合に皆さんが笑っていただけとも言えますが。
施術以外でこうして患者様とお会いする機会は滅多にありません。ある意味責任を感じずにお会いする(厳密に言えばお灸教室で伝えるという責任はありますが)のも新鮮な気分でした。
たとえ話
ただそれ以上に、日常に変化を起こすことは、新しい発見や進化のきっかけにもなります。
お灸教室のためにテキストを作成し、わかりやすくツボや鍼灸のことを伝えるための準備を行う、その過程そのものが施術にも活かされると感じました。
私の周りの鍼灸師仲間にはたとえ話が上手な方がたくさんいます。たとえ話に変換されただけで理解度がグンと上がります。有名なところで言えば、経絡と経穴(ツボ)の関係を説明するとき、
線路=経絡
駅=経穴
電車=気血
そう例えるだけで、経絡と経穴の関係をすぐにイメージできます。
鍼灸の話になるとカンタンなことをカンタンに伝えることさえもままならない場面に遭遇します。カンタンなことを難しく伝え、話した側は悦に入るような情けない状態を何度も経験しました。
お灸教室用のテキストを作成するにあたり、難しいことをカンタンに、とまではいけなくても、カンタンなことをカンタンに伝えることを意識して作りました。今回私の思いついたたとえ話を一つ披露します!
こんな例えはどうでしょう?
ツボ刺激をする(スイッチを入れる)→ 症状が治る(電気が点く)
そうイメージされている方が多いのではないかと考えました。実際に一般向けのツボに関する書籍や雑誌での特集は、そう受け取られるものが多いです。
しかし、実際にはツボ刺激で身体の変化を引き起こしているわけで、その変化(反応)が治癒に結び付くということ。刺激されたツボの反応は治癒へのお膳立てというわけです。同じことじゃん!って思われるかもしれませんが、ちょっと違います。
適切なツボを選び、お膳立てができたとしても、最終的に治癒を選ぶかどうかはその人次第です。 えっ?? そりゃ、治癒を選ぶに決まってるでしょ! と思いますよね。
でも、治癒を選ばない人だっています。
例えば、AさんとBさんがいるとします。二人は全く同じ部分に肩こりを感じて悩んでいたとします。そのコリの原因と思われるツボにも同じように反応がみられ、同じように鍼や灸を行いました。Aさんは翌日、スッキリと肩こりを解消できたと言っていますが、Bさんは相変わらず肩こりを感じ、何も変わらないと不満顔です。
Bさんは治癒を選ばなかったとしたら、それはどういうことか。
二人にはこんな違いがあったらどうでしょう。Aさんは早寝早起きで規則正しい生活を心がけ、適度な運動も行っていました。一方のBさんは、夜更かしが得意で、明け方まで、ついついネットサーフィンをしてしまい、いつも疲労を感じていました。生活習慣に問題がある場合、それは自ら治癒を選ばなかったとも言えるのです。
ツボ刺激をサッカーに例えるなら
サッカーに例えるならば、
鍼灸師である私と来院される患者様はチームメイト。相手のゴール(症状の治癒)を目指してともにプレイします。
鍼灸師はお膳立てのスルーパス(ツボ刺激)を出します。そのパスを受けた患者様はシュートします。そのシュートがゴールネットを揺らすのか、外してしまうのか、空振りしてしまうのか、それはシュートを打った本人次第。
ツボの仕事はゴールさせることではなく、ラストパスを送ることです。言い換えれば、鍼灸師の仕事も患者様を治すことではなく、治るための手助けをすること。
明日もお灸教室
施術をしていると鍼灸やツボの話をじっくりする時間はありません。そんな時に気の利いた「たとえ話」が出来れば、短時間かつ理解度の高い情報を提供できます。
そう気づくことができたことも、お灸教室という日常に少しの変化を加えたことで得られたものです。もっと分かりやすいたとえ話を考えつつ、明日もお灸教室、精一杯お伝えします!

谷口 一也

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