おすすめ映画『イカロス』(ネタバレ)

ついに開けた禁断の「Netflix」

昨年末、とうとう手を出してしまった「Netflix」

まずは1ヶ月間お試し!で終わる気配はありません。今までレンタルDVDを借りていた自分を嘆いてしまうほどの豊富な作品数。自宅で映画を見る私としては、その時の気分で作品を選びたいことが多々あります。

レンタル店で借りた場合、つい後回しにしたり、気分が乗らなかったり、結局映画を見ずに返却することがあります。これをレンタルスルーとでも名付けましょう。

私は同じ作品を3度スルー(借りただけ)する大技を決めて自己嫌悪に陥ったこともあります。

そんな自分にはAmazonのプライムビデオやNetflixの方が合っているのかもしれません。

映画『イカロス』がとても面白かった!

先日、Netflixで「ドーピング」を題材にしたドキュメンタリー映画『イカロス』を見ました。日本でもカヌーの選手がライバル選手のドリンクに禁止薬物を混入させるというショッキングなニュースが流れています。

2020年のオリンピックを控えた日本。「ドーピング」問題の知識を深める意味でも、本作はおすすめです。

原題:Icarus
製作国:アメリカ
製作年:2017年
日本では劇場未公開:2017年Netflixで配信
監督:ブライアン・フォーゲル

「ドーピング検査の有効性」を体を張って確認しようじゃないか!という映画。監督自らドーピングをして、アマチュアのロードレースに出場できるのか?そんな体当たりドキュメンタリー。

のはずが、予期せぬ告白からロシア版のスノーデンな展開になります。

ドキュメンタリーといえど、作品となったものはどうしたって作り手の主観が入ります。「イカロス」もそうです。

しかし、この作品は当初監督が予定していた内容を大きく飛び超えていきます。まさにその瞬間をカメラに収めている点が上質なドキュメタリーだと感じました。

前半:『スーパーサイズ・ミー』のドーピング版

前半は『スーパーサイズ・ミー』をほうふつとさせる体を張った実験的ドキュメンタリーです。

監督自らが毎朝薬を飲み、ドロドロのテストステロンを太ももに注射します。もちろん、専門家の指示を仰ぎながらドーピングを行い、検査に引っかからないように微調整をしていきます。

そんなチャレンジングな企画に協力した専門家こそ、後にこの物語の主人公となるロシア人のグレゴリー・ロドチェンコフ。ロシアでのドーピング機関のトップの人物です。

ドーピングによる不正を摘発する立場の人物が、なぜ協力してくれるのか、監督自身も少し疑問に思っていたようです。

ドーピングを3ヶ月続けた結果、監督の肉体は昨年より20%パワーアップしていました。

しかし、実際のレースでは事前に発表されていたドーピングの抜き打ち検査は実施されず(オーイ!)肩透かしを食らいます。

それでもドーピングによって肉体は増強されています。昨年と比べて、順位が上がるだろうと期待をしてレースに臨みますが、実際はドーピングなしの昨年よりも順位を下げてしまいました。

監督はドーピング検査をすり抜けて、好成績を収めることで世に問うつもだったのかもしれません。しかし、すべてが計画通りにならないこと、スポーツにおいてドーピングがすべてではない一面を見せる結果になったことにも意味はあったと感じました。

後半:まさかの告発


しかし、本当の物語はここから始まります。

ドーピングの結果をどうまとめるべきか、監督はロドチェンコフ氏に相談するためモスクワまで足を運びます。両者はこの数ヶ月間で互いに信頼し合う友人となっていました。

監督がアメリカに帰ったころ、事態は急変します。

反ドーピング機関(WADA)の独立委員会は、ロシアは国家ぐるみでドーピングを行っているという報告を発表しました。その関係者の中にロドチェンコフ氏の名前があったのです。

その報道を受けた監督はすぐに、ロシアのロドチェンコフ氏に連絡します。ロドチェンコフ氏は反ドーピング機関の所長を辞任してくれと国の高官から指示されていました。ロシアは国家ぐるみのドーピングは否定しています。

ロドチェンコフ氏がアメリカ人の映画監督とコンタクトを取っていることも、おそらく国に監視されています。すべてを知っているロドチェンコフ氏は命の保障もない状況へと陥ります。そして、一つの大きな決断をしました。

もうほどんどネタバレしてますが、彼は家族をロシアに残し、命懸けでアメリカへ渡ります。殺されるかもしれない恐怖より、「正しいこと」を選びました。

自分の過ちを認めた上で、一人でロシアを相手にケンカを売ってしまうのです。

結末は、ご自身の目で確かめてください。

Netflixは1ヶ月間無料体験ができます(笑)

ロシアだけの話じゃないかも

2015年11月にこの問題が発覚し、ロシアは翌年のリオデジャネイロ五輪への参加は認められないと予想されていましたが、五輪直前にIOC(国際オリンピック委員会)は一部の選手の参加を認めると発表しました。

この決定に対してWADA(世界アンチ・ドーピング機関)は強く批判しましたが、結局、ロシア選手389名中291名がリオ五輪の参加を認められました。

IOCは国家ぐるみの不正を1度は認めていただけに、ロシアという大国に屈したのかなと思わざるを得ません。

国のドーピング機関がグルになっていたのであれば、もはやドーピング検査は何の意味もありません。

でも、これってロシアだけの話なの?と恐ろしい想像をしてしまいました。

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谷口 一也

はじめまして。谷口一也です。1979年生まれ。愛媛県在住。 マイペースで我が道を行くB型。 育児と鍼灸に精を出す毎日です。 自宅での映画鑑賞やカフェ巡りが趣味。