お灸教室で感じた3つの誤解

2016年のお灸教室は終了しました

先日の15日、今年最後のお灸教室を行いました。6月から始めた「教室」は、ひとまず成功だったと言っておきます。思っていた以上にお灸に興味を持っている方が多いのだと肌で感じることができました。

お灸教室は全7回(肩こり編4回、腰痛編3回)、整体教室1回、セルフケア教室1回と各種教室を行いました。

お灸教室の原動力

お灸教室を開こうと思った原動力は、昨今のお灸ブームへの危機感です。お灸がメディアで取り上げられることは鍼灸への関心が高まり、鍼灸師にとっては喜ばしいことでもあります。

しかし同時に誤った情報に触れる機会も増えていきます。カンタンで手軽にできるお灸はセルフケアとしても最適です!

そう紹介されることが多いですが、カンタンなのはお灸を「置く」ことであって、「ツボを自分で決める」ことではありません。(詳しくは、「セルフでやってはいけないお灸の話」に書いてます)

その結果、「お灸はなんとなく気持ちいいけど、それ以上でもそれ以下でもない」そう感じている方がどんどん増えている印象を受けるようになりました。

お灸は単に温かくて気持ちのいいもの。そんな認識に留まってしまうのではないかと心配になります。

温シップ、カイロ、お灸、湯たんぽ、温かいソックス・・ 「温かい小道具」カテゴリにすんなり仲間入りすることを寂しく思いました。

そこで、私なりの結論。

つらい症状を改善したいのであれば、「すべてをセルフで行うお灸では効果がない」と伝えよう。

「奥さん、そのお灸、効かないですよ。」そんなおせっかい精神からお灸教室は始まりました(笑)

教室で感じた3つの誤解

お灸教室の参加者の9割は当院で施術を受けたことのある方でした。よって、鍼灸に対する親和性も高い方々です。それでも次のように認識している方が多いと感じました。

1.ツボの数は多い方が効く

2.お灸は熱い方が効く

3.痛いところ、症状のあるところにお灸をする

こう考えてしまうのも、ごく自然なことかもしれません。

例えば風邪をひいて病院に行けば、咳の症状には咳止め、熱があれば解熱剤、症状に対して処方されることが当たり前になっています。

ツボも、各症状にいくつもお灸をする方が安心に思うかもしれません。もしくは、数打ちゃ当たると。

しかし、鍼灸で身体をより良い方向にもっていくためには正確にツボの位置を特定することと刺激量をコントロールすることが必要になります。

的確な刺激を的確なツボへ施せば、その刺激は全身に波及します。ツボの数(お灸の数)と効果は必ずしも比例しません。むしろ、少ない刺激の方が体が混乱することなく反応してくれます。

(多くのツボへ刺激をすることが体にとって良いことなのか、そんな体を張った実験をされた鍼灸師のブログ記事も参考になります。鍼灸院 GREEN NOAHさんのブログ「鍼100本打たれたらどうなるの?」

お灸教室で私がお伝えしたいことは、皆さんがなんとなく思い込んでいる「お灸」に対するイメージを覆すことです。

1.ツボの数は少ない方が効く

2.お灸の熱さは気持ちいいくらいで良い

3.症状のあるところではなく、症状をもたらした原因に対してお灸をする

今回はツボの数について言及しましたが、お灸教室では1~3を丁寧にお伝えした上で、鍼灸師がツボを正確に選び、実際にお灸を体験していただいております。

来年も引き続き、おせっかいお灸教室を定期的に開催します。随時、当院のウェブサイト並びにこちらのブログでもアナウンスしますので、お灸に興味のある方はぜひご参加ください。

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谷口 一也

はじめまして。谷口一也です。1979年愛媛県伊予市(中山町)で産声を上げました。 マイペースで我が道を行くB型。 育児と鍼灸に精を出す毎日です。 自宅での映画鑑賞やカフェ巡りが趣味。